他流派出場枠と少年部出場制限規定が 正 式 決 定


他流派出場枠と少年部出場制限規定が 正 式 決 定
《 ワールド空手4月号(bP34)より抜粋してお伝えします。 》

昨秋の全国支部長会議で議題に挙がっていた懸案事項に関して、2月15日に総本部にて各支部長による話し合いの場が持たれ、審判審議委員会、医事委員会、選手強化委員会の3委員会が立案し別記3件が決定した。
中でも『試合・大会の出場間隔制限』について医事委員会の今西登之彦師範に意見を聞き、医学的見地から充分に考慮した上で決定がなされた。


『少年部(小学生以下)の出場間隔は最低27日間空けること』


※ 以下、詳細を要約してお伝えします。

● 少年部の試合出場に対する極端な過熱ぶりが、様々な意味において好ましい状況とは言えない。

● 極真空手のみならず、他のスポーツにおいても少年部のスポーツ外傷≠ェ年々増加している。

● 以前は子供達の負傷といえば、脳震盪が主だったのが、急激的なレベルアップにより、去年の国際青少年大会を
  例に挙げれば、90パーセントが腹部における打撲で医務室に運ばれてきたというデータがある。

● 少年部の人数が増えて、様々な能力を持った子ども達が参加しているのだから、
  大きな事故が起こる可能性と実際に起こってからでは遅いということを考えれば、
  安全面について最大限考慮するのは組織としての責任である。

● 過度の試合出場が少年部に慢性的な怪我を引き起こしているというのは、全国的な傾向として顕著である。

● 慢性的な怪我があるために高校生になった時点で本格的なトレーニングが出来なかったり、
 燃え尽き症候群≠ニ呼ばれる現象が子供達を空手から引き離す。本来ならば、一般部の世界大会が最高峰なのに、
  少年部の大会でメダルをもらって満足してしまう。そして小学校高学年になると受験、中学生になると
  部活動など学校の生活に占める時間が増えていくと、自然と道場から足が遠のく傾向にある。

● 子供たちにやりたいことを全てやらせてあげることが思いやりではない。行過ぎた場合には警告を発し、
  本当の意味で子供達に明るい将来を提供できるよう導くのが使命である。

たとえ、子ども自身が頻繁に試合に出ることを望んだとしても、ご両親や指導者が心身の状況や能力を見極めて判断する必要がある。極真空手において、優勝トロフィーを獲得するのが真の目的ではない。我々は心身を練磨し確固不抜の心技を極めること≠ェ重視されるべきなのである。




決 定 事 項
■大会・試合の定義
 支部内試合:主催支部の選手だけが参加する試合
 交流試合・県大会:2支部以上から参加がある大会・試合
 地区大会(ブロック大会):極真会館公認のオフィシャル大会で、全国各地区が主催

■他流派の出場
出場を認める団体:極真会館と友好関係にあり、極真会館を名乗る他の団体と
              交流していない団体(関係等が明確で無い場合は総本部に確認する)
選 手 出 場 枠
1、一般(高校生を含む):全日本大会(全日本青少年大会は除外)にのみ、総本部が決めた出場枠で出場を認める。
※支部内試合、交流試合・県大会・地区大会は原則としてクローズとするが、特別な事情がある場合は協議の上決定する。

2、中学生以下:地区大会では1大会につき、1団体から上限3名(全てのカテゴリーを通じての合計人数)の出場を認める。
            支部内試合、交流試合、全日本青少年大会はクローズとする。

3、国際青少年大会:総本部の判断により決定するものとする。
※地区大会への出場は開催地区に所在する道場・団体に所属の選手に限られる。
※地区大会は全日本大会の選抜戦となっているが、他流派からの出場選手が勝ち上がっても、
  その戦績を以って全日本出場権は獲得出来ないものとする。
※上記規定に即した申込であっても、主催者の判断で出場を制限する事が出来る。

特例:支部が特に友好関係を築き、その関係から交流試合の開催が必要な場合、
年間1回を上限に他流派との交流試合を開催できるものとする。その場合
以下の条件を満たすこと。

、原則として極真会館からは1支部のみの参加であること。
、開催の概要を総本部に申請し、許可を受けること。
※他流派からの出場人数は制限しないものとする。

■試合・大会出場間隔の制限
 少年部の健康維持と健全な発育、燃え尽き防止のため、大会への出場に下記の制限を設ける。
1、出場の間隔:大会から次の大会までに最低27日間空けること。
             (但し、支部内試合は含まない。)
2、実施:2006年4月1日開始とします。
※但し2006年3月末日までに出場した試合があっても、4月からの出場規定には無関係とします。
   (既に大会の準備がされ、選手申込が終っている大会があることを考慮に入れました。)


2006年2月17日                                 国際空手道連盟 極真会館 審判審議委員会
                                                                  医事委員会
                                                               選手強化委員会






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