西先生:合宿Report@

奈良支部(秦 貴典支部長)は、7月22・23・24の3日間、滋賀県高山市の琵琶湖(びわ湖畔 白浜荘)にて、夏季合宿を実施した。
今年は、貸切りバスでの移動。電車とは違った雰囲気があったのでは…と、思ったが、少年部(子供達)には余り関係ないようで、オヤツを口に頬張り、元気一杯はしゃいでた。
道中、週始めの台風の影響もあってか、雲行き怪しく雨が多少降ったのだが 目的地である琵琶湖に着く頃には、雨も上がり晴れ間が出てた。
宿舎に到着後、道場事の点呼の後、3日間お世話になる宿舎の方に挨拶をして、各班・各部屋事に分かれ、昼食を摂り、午後からの野外稽古に備えた。
昼食は、各自が家から持参した、お母さんの愛情一杯の手作りお弁当。楽しく話をしながら、口一杯頬張ってた。
初日の稽古は、琵琶湖の畔で午後3時半より開始。 準備運動の後、道場生全体で基本稽古を行う。
例年ならば、海辺で砂浜に足を捕られながらの稽古になるのだか、今回の琵琶湖は砂浜ではあるが、砂利が多くて、シッカリと足を固めれた状態だったので、動きやすく感じられた。
又、晴れ間があるものの 雲が広がっており、カンカン照りの茹だるような暑さの中での稽古ではなかった事も幸いしたのかも知れない。
基本の後は、帯事に分かれて、型を中心に、補強やダッシュを目一杯やって、初日の稽古を終了した。
シッカリと汗を流した後は各道場事にお風呂に直行!狭い!?湯船の中を泳ぐ者もいれば、お湯の掛け合いをしたりと…はしゃいで裸の付き合いを全うしたようだった。
…困るんですよねぇ…
稽古でも、お風呂でもシッカリ汗を流した後は、やはり食事が楽しみ(!?)でもある。
今回は、全ての食事の配膳・後片付けを一般部でやるのだが、馴れない配膳に悪戦苦闘しながらも、楽しい雰囲気の中で出来たようだ。
食事で気になるのは、出された食事を、かなりの少年部が残したり、食べきれないでいた事。
好き嫌いもあるだろうし、家で、お母さんの作ってくれたのに比べてるのもあるんだろうが出されたものは残さず、ある意味、食べれる事に"感謝"して頂きたいものである。
食事の後は、琵琶湖の畔で花火を皆で楽しんだ。


西先生: 合宿ReportA
2日目の朝は4時に起床。眠い目を擦りながら、道着に着替えて、湖畔に集合。
本来ならば、朝一番の日の出(御来光)を、厳粛な気持ちで迎えるのだが、あいにくの曇り空で、日の出(御来光)を見る事は出来なかった。
しばしの黙想の後、準備運動をして、全体で基本稽古と補強をするが、まだ目が覚めてないのもいるようでとんちんかんな動きの者もいたようだ。
又、この日はお寺の住職を招いて、日頃はする事のない、座禅をご指導頂いた。このような体験は、殆どの道場生が初めてだったと思う。
それだけに、新鮮な気持ちで臨めたと思うのだが…心を落ち着け、穏やかにして"無"の心境で時間を過ごす。 簡単そうだが、実際にやってみると中々、思うようにならない。
足を組んで座るのも、普段道場でしてる、安座とは違い、足を左右で組めず、悪戦苦闘である。
又、座禅が始まって厳粛な気持ちを…とはいかず、頭の中は"雑念"だらけで、余分な力が入り、気持ちを落ち着けるのに往生した。
住職の法話も含めて1時間足らずだったが、非常に良い体験が出来たと思う。
日頃、ギリギリまで身体を動かし、追い込んで心身を鍛錬してるが、それとは対極である、座禅を組み、手を合わせ心を落ち着け、穏やかにし、"無"の境地に達る…
自分の内面を見つめ、自分の弱さにも向き合える、貴重な体験だったのではないだろうか?
このような体験・気持ちは今日、この日だけではなく、各自が日頃から時間を見つけて行うべきものだと思う。毎日を忙しく、あくせく(?)生きてるからこそ必要な事だと改めて感じた。
しかし、人間と言う者は動いても、ジッとしてても 辛い、シンドイ…つくづく弱いもんだなぁと感じた。
道場生が、そのような気持ちを少しでも感じたかは定かではないが、無事に朝の稽古を終了し、朝食に。
合宿2日目は、恒例の夏季審査会があるのだが、今年は幸いにも、強烈で茹だるような暑さでなかったので気持ちの面では、多少なりとも楽だったと思う。
しかし、審査会そのものは決して甘いものではない。初級・中級・上級と帯事に分かれての審査会だが基本の段階から、秦師範や先生方の激が飛ぶ!
特に上級者は、動きに対してのチェックが何度も入りやり直しを求められていた。
又、近年、少年部・一般部に限らず体力的・精神的な面での低下は著しく、審査会に於ける規定の回数・本数に達しない者が多く見受けられた事は、危惧すべき事だ。
又、組手の強さばかりを求めて先行し、審査会…否、空手本来の技の正確性や足運び・立ち方・引き手の意味や重要性が希薄になってる事への、注意と細かい説明を、秦師範よりご指導頂いた。
これには審査を受ける者だけでなく、"先生・指導員"などと呼ばれてる我々も常に肝に銘じて指導に臨まなければならない。
段位や級、帯に関係なく常に全力で、一生懸命にやらやなければならないし、惰性でやってては良くならないのは当たり前の事であり
その事を分かってながらもやろうとしない"心の弱さ"を認識出来ない事には、前に進む事は無理かも知れない。


西先生: 合宿ReportB
審査を受けて、帯が上がると言う事は、それだけ"責任と義務"が、かかってくるのである。“受けたら受かる”という考えは決してもたない事である。
"先生・指導員"と呼ばれてる我々も、今一度 "初心遠とし"を思い出し、常に努力精進を怠る事なく臨まなければならない。
今回の審査を受けた者は もっと、緊張感を持ってやって欲しかった。気合い・返事も小さく、中には稽古不足では?と、首を傾げたくなる者もいたのも事実で、
我々"指導"する立場の者からすれば、反省仕切りである。審査会終了後、秦師範より改めて、審査・稽古に対する心構えについて、ご指導頂いた。
審査会は、第三者の目を借りて、客観的に自分を見る場でもある。
"審査は強さを見る場ではない!"と、大山総裁が言われてたが、その言葉の意味合いを真剣に考えさせられた、審査会だった。
さて、反省仕切りの審査会が終わり、楽しい(?)昼食の後は、琵琶湖で湖水浴とスイカ割りを楽しんだ。

琵琶湖は、正直な所、余り綺麗だとは思わなかったが少年部(子供達)には、夏の暑さを和らげるのには充分なようで、皆、思い思いに泳ぎを楽しんでた。
又、道場事のスイカ割りは非常に盛り上がり、暑さを吹き飛ばす程(?)冷たく甘いスイカに大喜びだった。
2日目の夕食後は、本来ならば道場対抗の演芸会をするのだが、今年は滋賀の土地柄に因んで、歴史上でも有名な、中江藤樹(近江商人、もしくは近江聖人)についての話を、専門家の講師である 万木甚一郎先生を、お招きして、中江藤樹の生い立ちから晩年までを色々な逸話を交えて、分かりやすく面白く、お話して頂いた。
殆どの道場生が初めて聞く話が多く、非常に興味深いものがあり、皆、真剣に聞き入ってた(?)と、思うのだが…

早朝からの座禅や稽古、審査会・スイカ割りに湖水浴等で疲れたのもあってか中にはウトウトと船を漕ぎしまいには、引っくり返って床に頭をぶつけて、笑いを誘う者もいたようだ。

なにはともあれ、歴史上の有名な人物の話を聞いて感じたのは、"もっと勉強せなアカンなぁ"である。
空手をやる以上、"空手バカ"になる事は必要であるが、それ以外でも常に"向学心"を持ち"知識と見聞"広め高める事も、生きて行く上で非常に大切な事だと思う。
中江藤樹と極真空手は全く関係ないのだが、 何かをやる上に於いては その人の家系や身分に関係なく、誰もが学び知り、そして人を愛する権利があると言う教えは
人種・宗教・国を越えて学ぶ事が出来る極真空手の理念や考えとも通じるものが、大いにあるとも言える。私なりには、非常に近いものがあるな。と、感じた次第だ。
さて、講話の後は、道場対抗のジャンケン大会が催された。
皆様、"ジャンケン"と侮るなかれ! このジャンケン大会は非常に、そして大いに盛り上がった、白熱の戦いだったのであります。
これ程までに、盛り上がり白熱するとは、思ってなかったのだが… 少年部は勿論だが、一般部も白熱(?)してた…ように思う。
只、日頃の稽古や試合に対しても、この"ジャンケン大会"のように白熱してくれたらなぁ。と、思ったのは私だけだろうか?
上位1位から3位までには賞品が贈呈された。又、秦師範のご厚意で、少年部全員に、お菓子の詰合せを頂いた。
ジャンケン大会で盛り上がった後だけに、少年部には嬉しいサプライズだったと思う。秦師範のご厚意に、感謝する次第です。
こんな感じで、2日目を終了し、疲れた身体を休める為に各部屋へと帰って、就寝。


西先生: 合宿ReportC
最終日の3日目は、6時に起床。朝食の前に朝の野外稽古となるのだが、最終日の今日は、宿舎周辺(1・5q)をマラソン大会する事に、前日の師範との話で急遽、決定した。
その為、朝の野外稽古は無くなり、少しノンビリとした朝だった。朝食後は、3日間使用した部屋の掃除を済ませ、身仕度を整えた後、マラソン大会の為、宿舎前の畔に集合。
簡単な説明と注意事項を聴き、いざスタート。1・5qの道程を、低学年1周、高学年2周、一般は3周を走り競う。
天気は良かったが、カンカン照りではなかったので 走る者は、多少なりとも気休めになったとは思う。少年部は、日頃から遊びの中で、走ったり、飛んだりをしてるので極端に疲れを見せる事もなく、シッカリとした足取りで完走する者が多く、中には大丈夫かな(?)と、思うような速いペースで走ってる者もいた。
反面、一般の社会人さん達は、道場で稽古はしてるものの、走る事はしないのが多く、その走りはマラソン大会ではなく、ジョギングに近い感じで、マイペースで楽しくも険しい表情で走ってた。
引っくり返りそうなのもいたが、誰一人脱落する者はおらず、無事に完走した。その中でも感心したのは 吉野分支部で日々、稽古を重ねてる、中峰初段。
一般社会人で、随一入賞しており、走るペースも最後まで落ちる事なく、安定してた。30代半ばだったと記憶してるが、若い道場生の走りと比べても、何ら変わりない見事な走りぷりだった。た。
私も、日頃からジョギング程度はしないとマズイなぁ・・と。 因みに私は、参加してませんけど…すいません。

マラソン大会も無事に終了し、宿舎に戻って帰り仕度を済ませて昼食。 合宿最後の食事は、カレー。大人も子供も"大好きな食べ物"であろう。
合宿に参加してる道場生も同じで、特に少年部はカレーだと食べるのも早く、残す事もなく、2杯目、3杯目と…厨房前に殺到。
しかし大半は、お代わりが当たる事なく、ご飯にふりかけをふって食べてた。

昼食を済ませて、再度帰り仕度をし、忘れ物チェックする。例年に比べると、非常に少なく、以前は大きなビニール袋に2つ、3つとあり、その殆どが事務局にて処分されてた。
それを考えると、少年部一人一人が、日頃の生活や空手の中で、自分の中で"注意力"を少しずつではあるが身につけてきたと言えるのだろう。
しかし、決して"ゼロ"ではなく、合宿一泊後に帰った者の中には、道着や衣類を大量に忘れてたのもいたようだが、何れは忘れ物"ゼロ"になってほしいものである。
全てのチェックを終えた後、3日間お世話になった宿舎の方に、お別れの挨拶を済ませ、最後に、秦師範からの"総評と締めの"言葉を頂き、道場事にバスに乗り込んだ。
帰りのバスの中でも、少年部は元気で、解散場所に着くまで、賑やかさが絶える事はなかった。
途中、高速道路が事故の為、到着時間が予定より30分程遅れたが、無事に奈良に着き、今回の夏季合宿を終えた。
合宿は、遊びに行ってるのではないのだが、事故や怪我もなく、楽しい気分(?)で過ごせたのは間違いないと思う。
明日からは、通常の生活に戻り、道場での稽古が待ってるのだが、気を緩める事なく、気を引き締めて事に臨んでほしい。
又、夏季・冬季に限らず合宿も稽古の一部である。 決して自由参加ではないのだが、それぞれ事情もあるだろうから、強制はしないが、今回、参加しなかった道場生は、次回には是非参加してほしい。

最後に、秦師範を筆頭に分支部長・黒帯の先生や、一般の道場生の協力で無事に合宿を終えれた事、有意義に過ごせた事を、改めて御礼申し上げると共に、大変お疲れ様でた。
少年部も上級者の者は、馴れないながらも、下の者の面倒を良く見てくれてたと思う。
ありがとう!
この後も、道場の行事は続きますが、それも含めて今後とも宜しくお願いします。
押忍。


<<2011サマーキャンプ記事へ戻る